モデナでトラディショナル・バルサミコ・ビネガーを訪ねるツアー

エミリア デリツィアでは伝統的な「アチェッタイア」と呼ばれるバルサミコ・ビネガーの生産者をめぐるツアーをご用意しております。訪れる人々は大抵、大量生産の、いわゆる「普通」のバルサミコ・ビネガーとモデナやレッジョ・エミリアの個人経営によって生産されたPOD制度(原産地名称保護制度)認可のトラディショナル・スタイルのバルサミコ・ビネガーの違いに驚かされます。伝統的に、新しいバルサミコ・ビネガー造りは女の子が生まれたときに行われ、そうしてできたビネガーは、その女の子が成長し、嫁ぐ際に持参金代わりとして嫁ぎ先に持ち込まれるものでした。数世紀もの間、アチェート・バルサミコ(aceto balsamico:バルサミコ・ビネガーの正式な名)は家庭だけで使われるだけで、たまに大切な客に振舞われる程度でした。また、モデナ公は自らのビネガー貯蔵庫を宮殿の屋根裏に所有し、モデナの公爵家を訪れた重要なゲストは、その黒い黄金とも称されるビネガーがもたらす喜びに触れることができたといわれています。私どもがご提供するツアーでは、伝統的な手法のなかでもその最たるもので「黒い蜜」を少量生産している個人所有の農園とその屋敷にご案内いたします。

モデナでのバルサミコ・ビネガー造り

モデナ伝統のバルサミコ・ビネガー造りはオーガニックのブドウの果汁(ムスト)を24時間煮て30%にまで煮詰めるところから始まります。こうすることによって、果汁に含まれる糖分が凝縮されます。ここで大切なのは、液体中に元から含まれる良い菌を殺してしまわないことです。この作業は収穫期である9月から10月に行われますが、ランブルスコまたはトレッビアーノ産のブドウからムストが搾られます。次にビネガーをねかせるための樽を用意します。大樽は、小さい樽に比べ4から5、6倍づつ大きく、アカシア、トネリコ、栗、クワ、桜の木などのさまざまな木でできていて、樽によってそれぞれ違います。

秋のこの時点から、最低でも12年もの歳月をかけて一つ前の樽から次の樽へと蒸発したムストを注ぎ足す、または二つ前の樽から一つ前の樽へと注ぎ足すなどの工程が繰り返され、こうした手間ひまは大樽に新鮮なムストが最後に足されるまで続きます。できたビネガーは、「若いバルサミコ」となるだけでも最低12年間は樽の中でねかされます。

 トラディショナル・バルサミコ・ビネガーの使い方

味わい、風味が自然に凝縮されてできた貴重な「黒い蜜」。バルサミコ・ビネガーは伝統的に食事の後、消化のために飲まれています。プラスチックか陶製のスプーンが好まれます。金属製のスプーンでは冷たすぎ、味わうのに邪魔になります。

 12年ものトラディショナル・バルサミコ・ビネガー

このビネガーは酸味が他のビネガーより強く、逆に甘味はほのかなものになっています。ビネガーに移っている木の風味を舌のいろいろな部分で感じることができます。リコッタ・チーズやモツァレラ・チーズなどのフレッシュ・チーズに特に合います。また、肉料理、魚料理にも加えてもよいでしょう。料理の最後に少量をかけるのがコツです。

 エクストラ・ビンテージ・24年ものトラディショナル・バルサミコ・ビネガー

この種のビネガーは、酸味は強くなく、その代わり甘味が増しますが、単純な、砂糖のような甘さではなく、複雑な奥行きの深い甘さとなります。ビャクシンのスパイーシーな味わい、桜の木の甘味などの木から染み出たタンニンがブレンドされたテイストとなります。ここまで年代を重ねると、パルメザンなどの熟成されたチーズによく合うようになります。また、イチゴやチョコレート、アイスクリームなどのデザートにも合います。

レッジォ・エミリアだけの28年ものビネガー

レッジョ・エミリアだけで生産・販売されている年代ものビネガー。ここまで年代を重ねるとビネガーでは酸味がほとんどなくなり、反面、木の風味と甘味がよりいっそう際立つようになります。まさに何層にも重なった複雑な「黒い蜜」の甘さとなります。ここまでのビンテージ・ビネガーになると、食後、すっきりとするための飲むのが一番です。

レッジョ・エミリア県はモデナに近いことから、トラディショナル・バルサミコ・ビネガーの産地としても知られていますが、モデナからレッジョ・エミリアに移り住んできた女性たちが持参金として持ち込んだバルサミコ・ビネガーが伝統継承の始まりです。

バルサミコ・ビネガー・ツアーではレッジョ・エミリアにある生産者を訪れ、この地方の3つの年代のビネガーを楽しんでいただきます。レッジョ・エミリアの伝統料理に興味がある方はここをクリックしてください。

 

パルミジャーノ・レッジャーノ工場ツアー

エミリア デリツィアがご提供するモデナ、パルマそしてレッジーノ・エミリアのパルメジャーノ・レッジャーノ・チーズを詳しく訪ねるツアー。ツアーは、できるだけ多く見学できるように、早朝に始まります。パルメジャーノ・チーズ工場見学での様子をお伝えできるように、写真を載せましたのでご覧ください。

パルメジャーノ・レッジャーノ・チーズの生産に使われる1000kgの牛乳

まず、工場に着いて目に付くのが、大きな桶に入った牛乳。この「大釜」に入っているのは1000kgもの脂肪分無調整の牛乳と脂肪分を半分にした牛乳を混ぜたものです。混合された牛乳は酸性化され、レンネットと呼ばれる酵素が加えられます。ここで、牛乳はヨーグルトのようになります。

このチーズは男の子と女の子の双子のようなものです。カットされ、ねかされているカード(凝乳)と呼ばれるものです。1000kgの牛乳から、およそ45kgのかたまりが2つできます。さらに熟成を重ねるうちに、減少を重ね最終的には約37kgまでになります。

2つのパルメザン・チーズのかたまり

そして、形が定まっていないチーズをテフロン製の型に入れられ、一昼一夜ねかされます。重石がチーズ職人によって注意深くチーズの上に置かれ、さらに、すべての水分を搾り出すため、型は数時間ごとにひっくり返されます。夕方になると、チーズを包んでいた布が取り外され、パルメジャーノ・レッジャーノとなるものは、型に収められます。ちなみに型に使用されているテフロンはそれまで手作りの木製の型に取って代わるものです。

ビデオでチーズが桶から型に収められるまでを紹介します。ツアー見学者はチーズが作られるまでの生産工程のすべてを間近でご覧になれます。

金属製の型に入ったチーズは、もう一日ねかされます。型はよく見るタイヤのようなチーズの形(チーズ・ホイール)になり、角を整えるなどの作業は不要になります。そして、その後チーズは常に木製の棚に収められ、呼吸をしながら熟成を重ねます。

チーズ・ホイールはその後、塩水に付けられ、3週間待ちます。この工程はハード・チーズを作る上での重要なポイントとなります。事実、塩分の高い塩水につけることによって、浸透圧を利用して残っている水分を取り除くのです。さらに重要なのは、パルメザン・チーズは防腐剤や発酵促進剤を含んでいないため、適度な水分を含む必要があることです。

ツアーの最後に訪れるのは、熟成庫です。ここで、パルメジャーノ・レッジャーノは最低でも12ヶ月貯蔵されます。このツアーが終わった後には、本物のパルメザン・チーズとそうでないものの違いが分かるようになり、また本物のチーズがいかに栄養的に優れているか知ることになります。

チーズはテフロン型で一日ねかされます。
パルメジャーノ・レッジャーノの熟成庫